感謝 - ジャーナル(2010年3月3日) - 中野友加里公式サイト

中野友加里選手からファンのみなさんへのお知らせです - 中野友加里応援ブログ

SINSEIが最初にその一報を聞いたのは友人からの一通のメールでした。
「鈴木さん世界選手権でメダル目指すって言っているけれど、これって来季のことだよね?」
それがまさか中野さんの世界選手権の辞退による繰り上げ出場の決定だったとはその時は露ほども思いませんでした。
いろいろなことが頭をよぎりました。私達の想像以上に怪我が良くないのか?その為ワールドへ向けての練習が上手くいっていなかったのか?五輪での数々の選手の演技に中野さん自身何か思うところがあったのか?日スケ連から何か示唆(もしくは圧力)があったのか?
不謹慎にもそんなことまで考えてしまっていました。(それくらい動揺していたということです)
しかし私達の中野友加里は私達が思っていた以上の中野友加里らしさでもって、その選手生活にピリオドを打っていたのです。
2月22日、前の週に男子の競技も終わり信夫コーチが帰国されるのを待って、オリンピックの補欠選手という役割の解けるこの日、日スケ連との義務を果たし終えた上で、五輪女子フィギュアの誰の演技を見ることなく引退届を提出しました。
そこにギリギリまであきらめずオリンピックの夢を追い求めた中野友加里の姿があり、競技者としての最後のプライドをみせる中野友加里の姿があったと思います。
今振り返ってみて、自分にとって中野友加里とは何だったのだろうかと、彼女のどこに惹かれたのだろうかと考えています。
中野友加里がきっかけでフィギュアスケートを見るようになり、
それまで何の変哲もないただの日記の延長上の様なこのブログに、中野友加里がきっかけでフィギュアスケートのことを綴るようになり、
中野友加里の一挙手一投足に一喜一憂し、
いつしか中野友加里を通して大きな舞台の夢を追い求め、気付いたら中野友加里と共に歩き、共に闘い、共に笑って、そして共に泣いていた。
今までこれほどまでに誰かのことを思ったことが過去にあっただろうか?
中野友加里のその「輝こう」とするひたむきさ、努力と根性、凛として春風のように明日をみつめていたその眼差し。
彼女のフィギュアスケート人生、幾つの悔しい思いをしてきただろうか?そして幾つの涙を流しただろうか?幾つの喜びがあり幾つの悲しみがあっただろうか?
傷ついた戦士は、その悔しさを忘れない。悲しみのマドンナは、その笑顔に隠した涙の意味を忘れない。
そしてあきらめずに最後の一分一秒まで真剣に戦った、貴女の姿を私たちは忘れない。
SINSEIにとってのこの四年間は「中野友加里」という大きな季節だったのだろうと思います。もう二度と訪れない最初で最後の熱い季節。
今その大きな季節が終わろうとしております。
これからはそれぞれがそれぞれの夢を追い求めて歩みだす季節です。
でもそれでも、いつでも私達の心は貴女と共にあります。
<
私は、伝えたいことは決まっているのですが、メッセージが纏まっておりませんので、後日ということで(笑)要旨だけ。
「凛としたあなたが誇りでした。夢をありがとう。祝 輝ける門出!」
ご本人からのメッセージを読み、2月22日という日の意味を考え、全日本からMOIまでのTV映像を何回も見返し、みなさまが想像されているような状況が、確信できました。
全日本の結果が出た時点で、四大陸・ワールド辞退、引退は決断されたのでしょう。インタビューでの「(問)五輪残念でしたね」「私にはやることがありますから」や、MOIでの吹っ切れたというか開放されたような表情や行動(昨シーズン比)、いつもの「これからも応援よろしくお願いします」が書けないので出せなかったお礼の葉書。
しかし夏の五輪で補欠繰上げができなかった失態や、2006ワールド繰上げの恩田選手が十分には間に合わなかった過去に鑑み、補欠の任だけは果せるよう調整され、その任が解けた当日に連盟に届出。本当に中野さんらしい、潔ささ、周到さ。
2008ワールド4位後の江南市トークショーでの「将来はメディア」を正に実現され、佐藤夫妻の元での6年とファンとともに夢を実現させるべく真剣勝負した4年間を糧として、何の憂いも無く次の一歩を踏み出す。普通ならヤッカミ半分で使う「カッコ良すぎ」という言葉ですが、本心から「格好良すぎ」と思っています。
Twitterでの「正直この先どのように女子フィギュアと関わって行けばいいのか、誰を応援したらいいのか、そもそももうあんな選手二度と出て来ないんじゃないか、と。途方に暮れてます。」についての私の考え。
同様の話をTawashiさんからもいただきお答えしましたが、スケートのファン暦が多少なりとも長い者として、ここでもお答えしておきます。
私が本当にファンになったのは、有香さん、中野さん、小塚君、川口悠子さんしかいませんので、かなりハードルが高いですよ。各人に共通するのが、スケートは勿論ですが、人生観というか信念というか一本筋の通ったものを持っていること。その人間的魅力が無ければ興味は無いですね。
日本のシニア女子選手には残念ながら該当者なし。
ジュニアで卓越した(現在の世界シニアトップに並ぶ)ジャンプ能力がなければ、シニアになって新たに跳べるようにはならないし、能力が落ちる場合の方が多いので、候補にはできません(村元、水津、西野等)。
その意味では、村上、藤沢選手が将来の候補とはなります。彼女たちが高校に上がり勉学とスケートにどう向き合っていくか、そこでどういった人間的魅力を発揮できるようになるか、気は長いですが、そういった観点で陰ながら応援し、本物になればそれからファンになるのでしょう。
その前に、村上選手でいえば、来週あたり開催される世界ジュニア選手権優勝、今年末の全日本で現3強を破っての表彰台が、試金石になります。
>正直この先どのように女子フィギュアと関わって行けばいいのか、誰を応援したらいいのか、そもそももうあんな選手二度と出て来ないんじゃないか
纏めますと女子フィギュアは特定のファン無しで横目で見ても良し、無視してもよし。男子やペアもありますから。
有香さんが1994年に現役引退して男子の本田選手の絶頂期を経て中野さんが2002年に(ローカルですが)表舞台に出てくるまで8年ありましたから。中野さんは不世出ですが、世界のトップで争えて人間的な魅力のある選手はきっとでてきますよ。長い目で見てください。
候補は、中野さんがそうであったように、ジュニアで卓越した(世界シニアトップに並ぶ)ジャンプ能力があること。