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フィギュアスケート講座-スコア(プロトコル)の見方(FS)

ようやく、ようつべに、先日の「ズームイン!! フィギュア」の動画がアップされましたね。
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Yukari Nakano 2007/08 Tokyo Championship Triple Axel NewsLink
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東京とはいえ、ローカルな地区大会の映像、しかも3Aや3-3がしっかりと映っているし、インタビューもしっかりとあるので、かなり貴重な映像ですね。(これが名古屋のローカル放送局でしか観れないなんて、ネットって便利だなぁ〜)
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中野「久しぶりに凄い自分自身の中でも気持ちよく降りることができました。夏の間、練習を重ねてきて、何度もいい感じで着氷することが出来ていたので、それを思い出しながら今日は、何としてでも 根性で降りようと思って挑みました。」
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中野「やはり若い世代の人たちが出てきて、3回転、3回転(得点の高いコンビネーションジャンプ)を簡単にポンポンと跳ばれてしまうとどうしても上位に行けなくなってしまうので、上位に行くキーになっているのが3回転3回転だと思っているので、今後もチャレンジしていきたいと思っています。」
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さてさて、先週に引き続き「フィギュアスケート講座-プロトコルの見方 - 検証 中野友加里 今季プログラム」今回はフリー編です。中野友加里選手の東京ブロックでのプロトコルを教材に進めて行きたいと思います。
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フリー編の教材はこれだ↓↓↓
Judges Details per Skater / シニア女子 - Free SkatingLink (PDF)
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さ〜てこのスコア表をよ〜く見ていただきたい。実は今某掲示板でちょっとした話題になっているのが、今季3Aや3-3に本気で挑戦する中野選手が実は8トリプルを達成するんじゃないか、ということ。
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8トリプルとは何か?
スコア表からジャンプの部分だけ抜き出してみると、、、
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Elements
(要素)
Base Value
(基礎点)
GOE
(評価点)
Scores of Panel
(要素点)
3A
7.50
0.60
8.10
3F+2T
6.80
0.20
7.00
3Lz
6.00
0.40
6.40
3S+3Lo<
6.00
-1.40
4.60
2F<
0.55 X
-0.24
0.31
3T+2T+2Lo
7.48 X
0.00
7.48
3S
4.95 X
1.00
5.95
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まずおわかりの通り[+]となっているのはコンビネーションジャンプ。つまり[3S+3Lo]となっているのは、いまや表彰台を狙うには必須と言われている、いわゆる3-3(トリプル-トリプル)。
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ちなみにもし[+SEQ]となっていればコンビネーションジャンプではなくてジャンプシークエンスである。(最初のジャンプとセカンドジャンプの間にちょっとステップなんか入ったりする奴)
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もし[+COMBO]、例えば[3F+COMBO]となっていたらこれは「コンボ(コンビネーション)扱い」という意味。本当はコンビネーションジャンプを入れなければならないのに入らなかった場合、単独でもコンボ扱いにしましたよ、という意味。
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ちょっとややこしいのは[3F+SEQ]なんて言うのもあります。これも「単独ジャンプですがシークエンス扱いにしますよ」という意味。
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いずれもザヤックルールなんかが絡んでくるのでちょっとややこしい。
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ジャンプの要素の後ろに[<]と付いているのは「回転不足でダウングレード」されたという意味。ここで言うと[3S+3Lo<]はセカンドジャンプの3Lo(トリプルループ)が回転不足だった。
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つまり本来 3Sの基礎点4.50 + 3Loの基礎点 5.00 = 9.50 となるところ
3Loも回転不足、つまり2Loと判定されて 2Loの基礎点 1.50 になってしまいます。
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つまり3.50点も低くなる。
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同じく[2F]も同様に回転不測で1F扱いです。
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基礎点の後ろに[X]と付いているのは、、、これはなんだっけ?後半に跳んだジャンプなので基礎点を1.1倍にしました、という意味だと思う。[X]となっていても「罰点」という意味ではなくて「X1.1(1.1倍)」という良い意味。
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んで、スコアの略語については以下いつもの「フィギュアスケート資料室」のこのページLink を見ていただくとして、、、
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話を元に戻しますと、、、8トリプルとは、、、
上記のジャンプのスコアを見ていただくと、トリプルジャンプが
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3A 3F+2T 3Lz 3S+3Lo(今回は3Loは回転不測) 3T+2T+2Lo 3S
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と、7個もトリプルジャンプがある。
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そこで5個目のジャンプ[2F](今回は回転不足)のフリップジャンプに注目していただきたい。実は2個目ジャンプのコンビネーションジャンプ[3F-2T]で、3Fを跳んでいる。[2F]はたまたま回転不足になってしまったが実力的には[3F]も跳べる。(もちろん問題はスタミナ)
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この先グランプリシリーズ(GPS)を戦っていく中で、このプログラムの後半に跳ぶ2Fを3Fに切り替えてくることも考えられる。そうすると、もしノーミスだった場合の皮算用
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(10/24 訂正:
ここでの[2F<]は本来3Fがすっぽ抜けて1Fとなってしまったため、2Fの回転不足という判定になったものらしいです。つまりすでに中野選手は東京ブロックから8トリプルに挑んできている、ということですね。詳細はコメント欄参照
訂正終わり)

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Elements
(要素)
Base Value
(基礎点)
3A
7.50
3F+2T
6.80
3Lz
6.00
3S+3Lo
9.50
3F
6.05 X
3T+2T+2Lo
7.48 X
3S
4.95 X
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とまぁ〜こうなる。点数のことはとりあえず置いといて、もしノーミスでフリーでこれが跳べれば「8トリプル」の達成、某掲示板によると(SINSEI自身は未確認ですが)「世界初トリプル6種類8トリプル」史上初の快挙!ということになるらしい。
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(世界初かどうかはあくまでも未確認です。伊藤みどりさんは6種類すべてのジャンプでトリプルジャンプを成功されているけれど、8トリプルはまだらしい。)
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問題はスタミナでしょう。ただこれで東京ワールド後、フィジカルトレーニングを本格的に取り入れてきたことがうなずけますし、今競技シーズン到来のここえ来て「体重は変わっていないのに体が絞れてきた」まさにその準備が出来ている、ということではないでしょうか?
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中野友加里選手は今でこそ「表現力豊かな」とか「しなやかで」とか「しっとり」とか言われますが、もともとは「攻撃な」「攻める」「力強い滑りを得意とした」という形容詞が似合っていた選手。
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以下2002-2003年シーズン、中野選手17歳(高校二年生)まだ名古屋の山田コーチの元にいたころのプログラム。
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2002年ISUグランプリシリーズ スケートアメリカより
(伊藤みどり以来女子シングルで10年ぶりのトリプルアクセルを成功させた時の模様)
Yukari Nakano 2002 Skate America FS Triple AxelLink
.
3A
3Lz(転倒)
3F+2T
3Lz+3T
3Lo
2A+3S+SEQ
.
7トリプルにトライしている。
.
2002年全日本フィギュアスケート選手権
Yukari Nakano 2002 Japan Nationals FS Triple Axel ComboLink
.
3A(転倒)
3A+2T
3F+3T
3Lz(すっぽ抜け)
3Lo
2A+3S+SEQ
.
この時も7トリプルにトライしていいるし、なんとこの時凄いのが、初っ端の3Aを転倒しているにもかかわらず、そのすぐ後に3A-2Tのコンビネーションを成功させている。お見事である。
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2002年ISUグランプリシリーズ ラリック杯
Yukari Nakano 2002 Trophy Lalique FSLink
.
3A
3A+2T
3F+3T
3Lz+3Lo
3Lo
2A
3S
.
極めつけがこれ!3Aに、3Aからのコンビネーションに、そしてなんと!3-3を2回もプログラムの中に取り入れている!(正に博打としか言いようがないプログラム構成)達成はしていないが、この時すでに8トリプルに挑戦しているのである。
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その後残念ながら2年間ほど中野選手は大きなスランプに見舞われるのですが、早稲田大学入学と同時に名古屋から移った新横浜の佐藤コーチの元で再起!今二十二歳、大学卒業を控え、若い選手が台頭してくる中、スタミナ的にもギリギリの中で、再度この8トリプルに「根性で」挑戦してくるのか?
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3A、3-3、そしてこの8トリプル、やはりこのシーズン中野友加里に目が離せない!
Can't Take My Eyes Off of You
.
(なんだかフィギュアスケート講座から大夫話が逸れてしまった``r(^^;)
.

— posted by SINSEI at 07:56 pm   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

この記事に対するコメント・トラックバック [2件]

Up1. TO. — 2007/10/23@22:35:54

SINSEIさん

高校2年生の頃の映像も集めていただき、中々読み応え・見ごたえのある記事でした。最近のことしか知らない中野さんファンには、是非とも知っておいていただきたい内容です。

こうやってみると、やはりジャンプは年少で跳んだことがあれば諸条件が揃えばまた跳べる、逆に年少で跳んだ実績・経験がなければ成長してから新たに跳ぶのは難しいということがよくわかります。このあたり、先般ジュニア女子のJGPSで2連勝した西野選手を始めとして、今期JGPSへの派遣について総合点よりも3Lz、3Fが跳べる選手を(1試合のみではなく2試合と)優先しているスケート連盟の傾向というか方針は、将来を見据えた正しいものと思います。

>8トリプル

?ジャンプはAを1回以上入れて7回まで、この内コンビ(or SEQ)は3回まで、この内3連続は1回のみ

?3回転ジャンプを2度跳べるのは2種類、その時1つ以上はコンビ(or SEQ)とする

8トリプルは、上記のザヤックルールから考えて3Aが跳べなければ達成できない数です。3回転ジャンプはT、S、Lo、F、Lz、Aの6種ですから、?の条件から6種のうち跳べる数+2ということですね。現役で3Aは浅田選手、中野さんのみ試合で認定されたことがあるだけで、浅田選手は3Sが苦手で2Aで逃げているため最高でも7トリプルです。みどりさんの頃は旧採点で点数の積み重ねではなかったため、一つでも多くトリプルを入れたいという発想は無かったと思います。従って、初の8トリプルというのは正解かも知れませんね。

先日の早稲田スポーツで、Fからの3−3も練習しているとの発言がありましたが、FPに入れるとすれば3F-3Tで、この場合3T+2T+2Loを2A+2T+2Loとする必要があり、得点差は2A と2Tの差の2.2点。現状では、みゅりえさんの東京ブロック記事コメント欄に書いたように、6分練習で消化しきれなくなる可能性があるため、この2.2点はあきらめる選択のほうが良いと思いますし、チーム中野も現状の構成を選択されるでしょう。しかし、SPでは余裕がありますから仕上がり次第で、3F-2Tを3F-3Tにしてこられる可能性は高いと思います。そうすれば、先日コメントさせていただいた理由でPCSも上がります。GPSでの3F-3Tと3S-3Loとの成功確率・出来具合をみて、全日本までに3F-2Tを3S-3Loにとの(助走ルートがかなり異なるための)大幅な変更の可能性もあると思います。

> [2F]はたまたま回転不足になってしまったが実力的には[3F]も跳べる。(もちろん問題はスタミナ)

2F<は、初見プログラムで且つ3S-3Lo後のスピン・スパイラルの直後だったので、他のジャンプ程は集中して見ることができていないのですが・・。中野さんの3Fはこれまで必ず長辺を長く使った助走後に短辺付近で跳ぶものだったのですが、これは助走が短く中央辺りで跳ばれたように思います(長辺or短辺を何処から何処までの助走だったかも定かには覚えていませんが)。また、2Fを跳んだというより、3Fのタイミングが合わず抜けた、抜けると大体1Fになるところが1+1/4回転以上回ってしまったようです。早稲田スポーツで「演技の後半でちょっと疲れがみえてしまったことと、やはりスピードがでていなかったなと。」とはあるものの、FP後そんなにバテタ様子は無かったし、その後の3T+2T+2Lo、3Sも凄い回転の速さでキレキレだったので、潜在的なスタミナの問題ではなく、まだこの時期ですから試合慣れ不足だと思います。朝練習、6分練習で3Aを優先してこの位置での3Fの練習は無かったことを考えると、日々の練習では問題なく出来ていたが、プログラムに入れての練習(滑り込み)が足りておらず、新しい助走ルートでの慣れ不足でタイミングを外されたということでしょう。滑り込めば何ら問題ないことだと思いますよ。従って、3A、3S-3Loを入れた曲を流しての「練習をいつも本番だと思って(この手法は昨年極められたはず)」繰り返されれば、スケカナでは簡単に8トリプルを達成されると期待しています。

Owner Comment SINSEI Website  2007/10/24@22:24:40

TO.さん、こんばんわ!コメントありがとうございます。
<(_ _)>

こうやってみると、やはりジャンプは年少で跳んだことがあれば諸条件が揃えばまた跳べる、逆に年少で跳んだ実績・経験がなければ成長してから新たに跳ぶのは難しいということがよくわかります。

なるほどですね!正直に言うとこの辺りはSINSEIは勘違いしておりまして、「子供の頃からそんなにジャンプジャンプで大丈夫なのかな?」なんて思っておりましたが、逆なんですね。子供の頃から跳ばせておいて身体で覚えさせる、ということなんでしょうね。(子供の頃の補助無しの自転車の練習や掛け算の九九の丸暗記、と同じ感覚かな)

8トリプルは、上記のザヤックルールから考えて3Aが跳べなければ達成できない数です。3回転ジャンプはT、S、Lo、F、Lz、Aの6種ですから、?の条件から6種のうち跳べる数+2ということですね。

なるほど、つまり3Aはもちろん、6種類のすべてのジャンプで3回転が飛べて、さらに3-3が跳べないと、8トリプルは成し得ない、ということですね。


浅田選手は3Sが苦手で2Aで逃げているため最高でも7トリプルです。

これは面白い!中野選手よりも高確率で3Aを決めてくるあの真央ちゃんが、ジャンプでは一番簡単とされるS(サルコウジャンプ)でトリプル(3回転)が跳べないとは、、、なんという皮肉か。安藤選手のクワド(4回転)はこのサルコウジャンプですよね。

と、と、と、言うことは現状で8トリプルを可能性的に成し得る選手って中野選手のみ?ですか?キミー・マイズナー選手は3A跳んでくるかな?

従って、初の8トリプルというのは正解かも知れませんね。

納得です!

GPSでの3F-3Tと3S-3Loとの成功確率・出来具合をみて、

この辺りもGPS(スケートカナダ&カップオブロシア)の見どころの一つですね。

2Fを跳んだというより、3Fのタイミングが合わず抜けた、抜けると大体1Fになるところが1+1/4回転以上回ってしまったようです。

あーなるほど!これはSINSEIの勘違いでした。そうかそうか、もともとが3Fの予定だったのですね。つまりすでに東京ブロックから8トリプルに挑戦してきていた、ということなんですね。あーそうか、だから某掲示板で話題になっていたんだ。ブログ記事ちょっと修正しておかなければ、、、``r(^^;)

潜在的なスタミナの問題ではなく、まだこの時期ですから試合慣れ不足だと思います。

スタミナ的には問題ないということですね、心強いです!

朝練習、6分練習で3Aを優先してこの位置での3Fの練習は無かったことを考えると、日々の練習では問題なく出来ていたが、プログラムに入れての練習(滑り込み)が足りておらず、新しい助走ルートでの慣れ不足でタイミングを外されたということでしょう。

了解です。シーズンを通して滑り込むことで解決されることでしょうね。

従って、3A、3S-3Loを入れた曲を流しての「練習をいつも本番だと思って(この手法は昨年極められたはず)」繰り返されれば、スケカナでは簡単に8トリプルを達成されると期待しています。

さぁ〜ますますスケカナ、楽しみになって来ましたね〜。

今週末はスケアメ(スケートアメリカ)、いよいよGPSも開幕ですね!

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